これに対にたいしイスラエルは戦時せんじ内閣ないかくの閣議かくぎを開ひらいて対応たいおうを協議きょうぎし、今後こんごどのような対抗たいこう措置そちをとるかが焦点しょうてんになっています。

※イランのイスラエル攻撃こうげきに関にかんする日本にっぽん時間じかん4月つき15日にちの動うごきを随時ずいじ更新こうしんしてお伝おつたえします。

イラン大統領だいとうりょう「敵てきのイスラエルに教訓きょうくんを与あたえた」成果せいか強調きょうちょう

イランは13日にちから14日にちにかけてイスラエルに向むけて多数たすうのミサイルと無人むじん機きを使つかった大だい規模きぼな攻撃こうげきを仕掛しかけ、イスラエルはアメリカなどの協力きょうりょくも得えてそのほとんどを迎撃げいげきしたとしています。

イランはこの攻撃こうげきについて今月こんげつ1日にちにシリアにあるイラン大使館たいしかんがイスラエルの攻撃こうげきを受うけ、革命かくめい防衛ぼうえい隊たいの司令しれい官かんらが殺害さつがいされたことへの報復ほうふくだとしていて、ライシ大統領だいとうりょうは声明せいめいで「敵てきのイスラエルに教訓きょうくんを与あたえた」として成果せいかを強調きょうちょうしました。

一方いっぽうで革命かくめい防衛ぼうえい隊たいのサラミ総そう司令しれい官かんは「作戦さくせんは限定げんてい的てきでイスラエルがわれわれの大使館たいしかんへの攻撃こうげきで使つかった能力のうりょくと同おなじレベルに抑おさえた」と強調きょうちょうし、これ以上いじょうの事態じたいの悪化あっかは意図いとしていないという姿勢しせいをにじませました。

イスラエル前ぜん国防こくぼう相しょう「代償だいしょうを支払しはらわせる」

これに対にたいし、イスラエルは14日にち、戦時せんじ内閣ないかくによる閣議かくぎを開ひらき、今後こんごの対応たいおうを協議きょうぎしたとみられます。イスラエル政府せいふは、イランからの攻撃こうげきがあれば反撃はんげきすると繰り返くりかえし警告けいこくしてきましたが、今いまのところ閣議かくぎの内容ないようは明あきらかになっていません。

戦時せんじ内閣ないかくに入はいっているガンツ前ぜん国防こくぼう相しょうは「適切てきせつな時期じきに、正ただしい方法ほうほうで、イランに代償だいしょうを支払しはらわせる」と述のべていますが、いつどのような反撃はんげきに踏み切ふみきるのかは明あきらかにしていません。

また、ガラント国防こくぼう相しょうも声明せいめいを発表はっぴょうし、「イランの脅威きょういに対抗たいこうするため、戦略せんりゃく的てき同盟どうめいを立たち上あげるときだ」として、各国かっこくと協力きょうりょくしてイラン包囲ほうい網もうを構築こうちくするべきだと主張しゅちょうしています。

ガザ地区ちくでも緊張きんちょう続つづく

一方いっぽう、ガザ地区ちくの状況じょうきょうについて、現地げんちの保健ほけん当局とうきょくは14日にち、イスラエル軍ぐんによる攻撃こうげきで過去かこ24時間じかんにさらに43人にんが死亡しぼうし、これまでの死者ししゃは、3万まん3729人にんになったと明あきらかにしました。イスラエル首相しゅしょう府ふは14日にち、戦闘せんとうの休止きゅうしと人質ひとじちの解放かいほうをめぐる交渉こうしょうについて「イスラム組織そしきハマスが仲介ちゅうかい者しゃが示しめした提案ていあんを拒否きょひした」と発表はっぴょうしました。

一部いちぶのイスラエルのメディアは、交渉こうしょうが進展しんてんしない中なか、イスラエル軍ぐんが今後こんごガザ地区ちく南部なんぶの150万まん人にん近ちかくが身みを寄よせるラファへの地上ちじょう作戦さくせんに踏み切ふみきるという見通みとおしを伝つたえていて、ガザ地区ちくでの緊張きんちょうも続つづいています。

国際こくさい社会しゃかいではガザ地区ちくの戦闘せんとうに加くわえ、イランとイスラエルとの対立たいりつで中東ちゅうとう情勢じょうせいがさらに緊迫きんぱくすることへの懸念けねんが広ひろがっています。

＜15日にちの動うごき＞

米べい高官こうかん「イスラエルのいかなる対抗たいこう措置そちにも参加さんかしない」

アメリカのバイデン政権せいけんの高官こうかんは14日にち、記者きしゃ団だんに対にたいし、イランによる報復ほうふく攻撃こうげきを受うけてイスラエルがどのような対応たいおうをとるかはイスラエル自身じしんが決きめることだと述のべました。

その上うえで「われわれはイスラエルがとるいかなる対抗たいこう措置そちにも参加さんかしない」と述のべ、対抗たいこう措置そちにアメリカが加くわわることはないと強調きょうちょうしました。

また、バイデン大統領だいとうりょうが13日にちに行いったイスラエルのネタニヤフ首相しゅしょうとの電話でんわ会談かいだんの中なかで「イスラエルの防衛ぼうえいへの支援しえんを伝つたえるとともに、事態じたいがエスカレートすることのリスクについて慎重しんちょうに、かつ戦略せんりゃく的てきに考慮こうりょしなければならないと明確めいかくに伝つたえた」としています。

国連こくれん安保理あんぽり 双方そうほうに自制じせい求もとめるも 互たがいを激はげしく非難ひなん

国連こくれんの安全あんぜん保障ほしょう理事りじ会かいで日本にっぽん時間じかんの15日にちに緊急きんきゅう会合かいごうが開ひらかれ、グテーレス事務じむ総長そうちょうは冒頭ぼうとう、「中東ちゅうとうの複数ふくすうの戦線せんせんで大だい規模きぼな軍事ぐんじ衝突しょうとつにつながりかねないいかなる行動こうどうも避さけることが極きわめて重要じゅうようだ。中東ちゅうとうにとっても世界せかいにとってもこれ以上いじょうの戦争せんそうは許ゆるされない」と述のべ、イランとイスラエルの双方そうほうに最大限さいだいげんの自制じせいを求もとめました。

会合かいごうではこのあと多おおくの国くにからも、中東ちゅうとう情勢じょうせいのこれ以上いじょうの緊張きんちょうを防ふせぐため、イランとイスラエルの双方そうほうに自制じせいを求もとめる意見いけんが相次あいつぎました。

しかし、イスラエルのエルダン国連こくれん大使たいしはイランを激はげしく非難ひなんし「今回こんかいの攻撃こうげきは越こえてはならない一線いっせんを越こえた。イスラエルには報復ほうふくする法的ほうてき権利けんりがある」と主張しゅちょうし、対抗たいこう措置そちをとる可能かのう性せいを示唆しさしました。

これに対にたいしてイランのイラバニ国連こくれん大使たいしは「安保理あんぽり決議けつぎや国際こくさい法ほうの義務ぎむを無視むししてより残虐ざんぎゃくな犯罪はんざいを犯おかしているのはイスラエルだ」と反論はんろんし、双方そうほうが互たがいを激はげしく非難ひなんしました。

イスラエル軍ぐん 無人むじん機きやミサイル迎撃げいげきの映像えいぞう公開こうかい

イスラエル軍ぐんは、イラン側がわから発射はっしゃされたミサイルや無人むじん機きを迎撃げいげきした戦闘せんとう機きからとらえたとする映像えいぞうを公開こうかいしました。映像えいぞうには、無人むじん機きやミサイルだとする黒くろい物体ぶったいに照準しょうじゅんが合あわされたあと、物体ぶったいが次々つぎつぎに爆発ばくはつする様子ようすが写うつされています。

イスラエル軍ぐんは「数すう十じゅう機きの空軍くうぐんの戦闘せんとう機きが戦略せんりゃく的てきパートナーの国々くにぐにと協力きょうりょくして領空りょうくうを守まもる任務にんむにあたった」としています。

一方いっぽう、イスラエル南部なんぶのアラドではミサイルや無人むじん機きの破片はへんが落下らっかしたとみられていて、自治体じちたいが公開こうかいした写真しゃしんからはミサイルの部品ぶひんのような複数ふくすうの物体ぶったいが歩道ほどうなどに落おちているのがわかります。

イスラエルの救急きゅうきゅう当局とうきょくによりますと、アラド近郊きんこうでは7歳さいの女の子おんなのこが重傷じゅうしょうを負おい病院びょういんで治療ちりょうを受うけていて警察けいさつが詳細しょうさいを調しらべているということです。

イラン外相がいしょう “攻撃こうげき前まえに一部いちぶの国くにに通告つうこく”

イランのライシ大統領だいとうりょうは14日にち、声明せいめいを出だし、「イラン国民こくみんの利益りえきに反はんするいかなる試こころみも、より激はげしい対抗たいこう措置そちを招まねき、後悔こうかいすることになるだろう」として、イスラエルをけん制けんせいしました。また軍ぐん全体ぜんたいのトップ、バゲリ参謀さんぼう総長そうちょうも、「作戦さくせんは成功裏せいこうりに完了かんりょうし、すべての目的もくてきは達成たっせいされた」とアピールしました。

一方いっぽう革命かくめい防衛ぼうえい隊たいのトップ、サラミ総そう司令しれい官かんは「われわれは限定げんてい的てきな作戦さくせんを実施じっしした。この作戦さくせんはもっと大だい規模きぼに行おこなうこともできたが、イスラエルがわれわれの大使館たいしかんを攻撃こうげきするのに使つかった能力のうりょくと同等どうとうのレベルまで抑おさえた」と述のべ、攻撃こうげきは抑制よくせい的てきに行いったと主張しゅちょうしています。

さらにアブドラヒアン外相がいしょうは会見かいけんで「作戦さくせんのおよそ72時間じかん前まえにわれわれは周辺しゅうへん国こくなどに対にたいし、イランの対抗たいこう措置そちが正当せいとうな自衛じえいの枠組わくぐみの中なかで確実かくじつに行おこなわれることを伝つたえていた」と述のべ、大だい規模きぼ攻撃こうげきについて事前じぜんに一部いちぶの国くにに通告つうこくしていたことを明あきらかにしました。

G7首脳しゅのう声明せいめい「前例ぜんれいのない攻撃こうげき 最もっとも強つよい言葉ことばで非難ひなん」

G7＝主要しゅよう7か国かこくの首脳しゅのうは14日にち、オンラインで首脳しゅのう会合かいごうを開ひらき、議長ぎちょう国こくのイタリアが首脳しゅのう声明せいめいを発表はっぴょうしました。

それによりますと「イランによるイスラエルへの直接ちょくせつ的てき、かつ前例ぜんれいのない攻撃こうげきを最もっとも強つよい言葉ことばで非難ひなんする」とした上うえで、「イスラエルと、その国民こくみんに対にたいする全面ぜんめん的てきな連帯れんたいと支持しじを表明ひょうめいし、その安全あんぜん保障ほしょうに対にたいするコミットメントを再さい確認かくにんする」と指摘してきしています。

その上うえで「イランの行動こうどうにより地域ちいきは不安定ふあんてい化かに向むけてさらに踏み込ふみこみ、制御せいぎょ不能ふのうな地域ちいき情勢じょうせいのエスカレーションを引き起ひきおこす危険きけん性せいがある」として、事態じたいの悪化あっかを避さけるため情勢じょうせいを安定あんていさせる努力どりょくを続つづけていくことを確認かくにんしました。

また「イランとその代理だいり勢力せいりょくに対にたいし攻撃こうげきを停止ていしするよう要求ようきゅうする。われわれはさらなる不安定ふあんてい化かへの行動こうどうに対にたいして措置そちを講こうじる用意よういがある」として、イラン側がわをけん制けんせいしています。

トランプ前ぜん大統領だいとうりょう「アメリカが弱よわさを見みせたからだ」

秋あきのアメリカ大統領だいとうりょう選挙せんきょで返り咲かえりざきを目指めざす共和党きょうわとうのトランプ前ぜん大統領だいとうりょうは13日にち、東部とうぶペンシルベニア州しゅうで演説えんぜつし、イランがイスラエルに対にたいする報復ほうふく攻撃こうげきを行おこなったことについて「アメリカが大おおきな弱よわさを見みせたからだ」と述のべて、バイデン政権せいけんの姿勢しせいがイランによる攻撃こうげきを招まねいたと批判ひはんしました。

そのうえでトランプ氏しは「われわれが政権せいけんに就ついていればこんなことは起おきなかった」と主張しゅちょうし、「われわれは強つよさによって世界せかいに平和へいわを取り戻とりもどす。国内こくない外がいでのアメリカの強つよさを復活ふっかつさせる」と訴うったえました。

米べい大統領だいとうりょう補佐ほさ官かん「緊張きんちょうをさらに高たかめること望のぞんでいない」

アメリカ・ホワイトハウスのカービー大統領だいとうりょう補佐ほさ官かんは14日にち、ABCテレビのインタビューで「イスラエルへの前例ぜんれいのない攻撃こうげきはイスラエルだけでなくアメリカやパートナーの国々くにぐにによって対処たいしょされた。イスラエルは自国じこくの防衛ぼうえいに成功せいこうし、アメリカはそれを支援しえんするという約束やくそくを確たしかに果はたした」と述のべました。

またバイデン大統領だいとうりょうは13日にち夜よるの電話でんわ会談かいだんでネタニヤフ首相しゅしょうに対にたいし、改あらためてイスラエルの自衛じえいを支援しえんし続つづけると伝つたえたとした上うえで「バイデン大統領だいとうりょうはイランとの戦争せんそうを望のぞんでいないことをはっきりと表明ひょうめいしてきておりアメリカはこの地域ちいきの緊張きんちょうをさらに高たかめることも望のぞんでいない」と強調きょうちょうしました。

またガザ地区ちくでの戦闘せんとう休止きゅうしなどをめぐる交渉こうしょうについては、情報じょうほう交換こうかんが続つづいているとしてイスラム組織そしきハマスの対応たいおう次第しだいで人質ひとじちの解放かいほうや人道じんどう支援しえんの拡大かくだいに向むけた戦闘せんとう休止きゅうしが可能かのうになるという認識にんしきを示しめしました。